幸せ者め!

マニュアルです。タイプ1のボディの寸法が記載されている事は以前からわかっていましたが 僕は今までは絵として、認識していました。しかし今回の作業で はこれが無いと、とても恐ろしい事になる事がわかりました。
事の始まりはこの穴です。みなさんはフロントフェンダーの付いていないバイクや自転車に乗った事はありますか? 雨の日にその手の乗り物に乗ると・・・タ イヤから巻き上げた水で溺れます。 このこのオーナーさまもその状態に陥っていました。4輪では希少な事態です。 希少だからっていいものでは御座いませ ん。 というかよく乗ってましたね・・・・
例によってサビは形が残っていても強度が無く、溶接も出来ませんので切り取ってしまいます。その際に、このこの場合は全体的な形が崩れてしまう危険性を感 じましたので、簡単なジグを作りました。
今回の作業は、大々的なレストアでは無く、限りのある現実的な予算でのあくまで修理ですので、ボディとシャシとを分解等の大きな作業には発展させていませ ん。
よくあるペダルの取付け部分だけでは無く、メインフレームまで傷んでいましたので、治します。このこのオーナーさまはこのこが1台目の空冷ワーゲンでした ので グッラグラのペダルで違和感が無かったそうです・・ よく乗ってたなぁ・・・
今回の修理での外観から見える部分はここだけです。
以前にも同じような話題があったかと思いますが、古い車ですし、いつまで乗れますか?と聞かれる事があります。 ぼくの考えるところは法的な事を除き、 オーナーさま次第では無いかと思います。それぞれのオーナーさまにそれぞれの生活、考え方がありますが、空冷フォルクスワーゲンは、どんなに朽ち果てい て、ボルト1本しか残っていなくても、そこから他の部品を集めて1台にする事も可能です。 このこのオーナーさまはネットオークションでこのこと格安で出 会い、乗り始めて数年してからこのこの程度の悪さに気付きました。車検でも、あちらこちらに法外な金額がかかり・・途中で止める事も出来たでしょう・・・ しかし進み続けました。限られた予算の中で・・その予算を今回の見えない部分の修理では無く、見える部分につぎ込めば、また市場である程度の金額で売り払 う事も、また、その予算を楽しい夜の世界にパーッと使って、このこをそっと土に返す事も出来たでしょう。悩んでいました・・・しかし今回、乗る!と言うこ とを前提に外観の痛んでいる部分には着手せず、安全性を優先的に作業させて頂きました。 お前幸せだな!って思いながらの作業でした。